老舗アパレルブランドの直営工場
アズールは1973年に創業されたあと、2005年に(株)レナウンの100パーセント出資会社となりました。
他社の製品も作っていますが、ほぼ8割はレナウンの商品。
婦人服のイメージが強いかもしれませんが、ここでは紳士服のほうをより多く手がけています。
1年間に製作する衣類の数は約18万枚。
数あるレナウンの直営工場でも、ニット製品を作ることができるのはうちだけとなっています。
職場の男女比率ではやはり女性が多め。
本当にこの業界は女性が支えていると言っても過言ではありません。
また、現在、中国から11人、そしてミャンマーから4名の技能実習生を受け入れ、一緒にがんばっています。
日本の生活に慣れていない彼女たちのため、従業員にはできるだけ会話してあげるよう伝えてみんなで面倒を見ています。
「編み」から一貫生産できる強み
いわゆる縫製工場では、生地を仕入れて作り始めますが、ニットの場合は糸を編むところから。
うちではさらに風合いを出すために洗いをかけたりして、デザイナーの意図した状態に持っていくまでを一貫して行っています。
編みから洗い加工までできるのは大きな特徴のひとつ。
今は編み機も進化しているので、コンピュータに図面を読み込ませると、編まれて出てくるような仕組みになっています。
また、リンキングという工程があって、これはたとえば別々に作った袖と袖口をくっつける作業のことを言います。
縫い付けるのではなく、ひとつずつ編み目を拾って手作業でかがっていきます。
デザインによって編み目はバラバラですし、やはりこういった部分には人間の手が必要。
時代が変わっていく中でデザインも当然変わっていきますから、それに対応できるようなやり方が求められる仕事です。
そのために技術を磨いて、より良いものを作っていきたいと思います。
純日本製へのこだわり
私の実家はテーラーでした。
今では少なくなった町の洋服屋さんですね。
特に意図したわけではないのですが、服飾に縁があったのかこの仕事に就きまして、生産部門でどんどん服を完成させていく仕事をしておりました。
しかし、ものとして完成したら満足かというとそうではなくて、店頭でお客さんが買ってくださったときが一番うれしいのです。
昨年、アズールは「一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会」が行っている“J∞QUALITY”認証を受けることができました。
これは「織りや編み」、「染色整理加工」、「縫製」の全ての工程を日本で仕上げた純国産品であることの証明となります
ほかにも紳士服部門でマイスターの称号をいただいたこともありますし、うちの製品にはさまざまな日本の伝統が活かされています。
服は人の肌に直接触れるもの。
安心感があり着心地の良い服をできるだけ届けていきたいと思っています。